タケルンバ卿ブログ

世界の片隅でだらだら生きる貴族の徒然帳

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因果を疑え

 一見科学的な裏付けがあるようだけれども、こういう話には注意が必要。

 特に因果関係において。

〈1〉睡眠時間が5時間未満
〈2〉交代制勤務をしている
〈3〉休日が取れない
〈4〉いつもおなかいっぱい食べる
〈5〉あまり歩かない
〈6〉アルコールを1日日本酒3合以上飲む
〈7〉たばこを吸う
――の七つの危険な生活習慣があると肥満や高血圧、メタボを発症しやすくなることがわかった。

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=120681

 このように要因がまとめられていると、これがあたかもメタボリック・シンドロームの原因のように思ってしまう。

 だけれども、よくよく考えてみると、論理的な流れが証明された話ではない。これら七つの生活習慣があるから、メタボリック・シンドロームになるのか。あるいはメタボリック・シンドロームになると、こういう七つの生活習慣に行き着いてしまうのか。

 そのどちらが正しいのか、これではまだわからない。両者に関連があるというだけで、その因果がどういう流れなのかまではわからない。

 少なくても「あまり歩かない」に関しては、「歩かない人がメタボリック・シンドロームになりやすい」というより、「メタボリック・シンドロームになった結果、歩けなくなる」と考えても違和感がない。運動量が落ちたから病気になるのではなく、病気になったから運動量が落ちるケースはよくあることだ。

 一般的に正しそうな話、且つ、医学的な見地を伴った話ということで、どうしても疑問を持たずに受け入れてしまいがちだけども、こういう因果が証明されていない話は、納得しやすい因果でさも確定とばかりに受け止められがちなので注意が必要。納得しやすい話こそ、それが真に裏付けを伴う話であるかどうか疑うことが必要だ。

 こういう因果が証明されていない話から、「交代制勤務は問題だ!」という謎主張が出てきたりするからね。